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エンジニアのためのAnthropicのAIコーディングツール活用ガイド

Claude Code入門

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Anthropicが提供するClaude Codeは、AIを活用したコーディング支援ツールとして注目を集めている。コマンドラインインターフェース(CLI)を基盤とし、開発者の既存のワークフローに柔軟に統合できる設計が特徴だ。本記事では、エンジニア向けにClaude Codeの概要、セットアップ方法、基本的な使用方法、実際の開発シーンでの活用例を解説する。客観的かつ実際的に、Claude Codeの導入から実践までをステップごとに紹介する。

Claude Codeとは

Claude Codeは、Anthropicが開発したAIベースのコーディング支援ツールであり、Claude 4やClaude 3.7 Sonnetといった高度な言語モデルを活用する。コマンドラインでの操作を前提とし、コード生成、レビュー、テスト、デバッグなど多岐にわたるタスクを支援する。特定のワークフローを強制せず、開発者が自由にカスタマイズできる柔軟性が強みだ。GitHubやGitLabとの統合も可能で、コードベース全体の構造や依存関係を理解し、複数ファイルにわたる編集も正確に行える。Anthropicのエンジニアの80%が日常的に使用し、オンボーディング時間を大幅に短縮した実績も報告されている。

セットアップ手順

Claude Codeの利用を始めるには、まず環境を整える必要がある。Node.jsがインストールされていることを前提に、以下の手順でセットアップを進める。まず、ターミナルを開き、npmを使用してClaude Codeをグローバルにインストールする。

インストールコマンド npm install -g @anthropic-ai/claude-code

インストールが完了したら、ターミナルで claude とタイプし、初期設定を開始する。初回起動時には、Claude AppでのログインまたはAnthropicのAPIキーの入力が求められる。Claude Appを利用する場合、Maxプランのサブスクリプションが必要だ。APIキーを使用する場合は、Anthropic Consoleで取得し、指示に従って設定する。GitHubとの連携を希望する場合は、GitHubにClaudeアプリをインストールし、必要な権限を付与する。これにより、Claude Codeはリポジトリのコンテキストを読み取り、プルリクエストの作成やコードレビューを効率化できる。

Claude Code のインストール

$ npm install -g @anthropic-ai/claude-code    

Claude Code の開始

$ claude    

基本的な操作方法

Claude Codeは、ターミナルで「claude」コマンドを実行することで対話型コンソールが起動する。このコンソールでは、自然言語でタスクを指示できる。例えば、「新しいPythonスクリプトを作成して、CSVファイルからデータを読み込み、平均値を計算する」といった指示を与えると、Claude Codeは適切なコードを生成し、ファイルに保存するかを尋ねる。生成されたコードは、ユーザーの確認後に保存または編集可能だ。また、既存のコードベースを解析し、特定の関数を改善するよう指示することもできる。例えば、「このリポジトリのmain.pyにある関数をリファクタリングして、読みやすさを向上させる」と指示すれば、Claude Codeはコードを解析し、改善案を提案する。Git操作もサポートしており、「git logを調べて、特定のコミットの変更内容を説明する」といった指示に対応する。

実際の開発シーンでの活用

Claude Codeの実践的な活用例として、複数ファイルにわたるコード編集やテストの自動化が挙げられる。例えば、Webアプリケーションのリポジトリで、バックエンドのAPIエンドポイントを追加する場合、Claude Codeに「新しいREST APIエンドポイントを追加し、関連するテストケースを生成する」と指示する。Claude Codeは、プロジェクトの構造を解析し、適切なファイルにコードを追加し、テストファイルも同時に生成する。さらに、別のClaudeインスタンスを使ってコードレビューを行うことも可能だ。この場合、1つのインスタンスがコードを書き、別のインスタンスがそのコードを検証する分業スタイルを採用する。これにより、エラーや冗長なコードを早期に発見できる。Anthropicのエンジニアは、この手法によりコードの品質を向上させたと報告している。

開発ワークフローへの統合

Claude Codeは、VS CodeやJetBrainsなどの主要なIDEと連携可能だ。拡張機能をインストールすることで、IDE内でClaude Codeの機能を利用できる。例えば、VS CodeでClaude Codeの拡張機能を有効にすると、エディタ内から直接コード生成やレビューをリクエストできる。また、CI/CDパイプラインに組み込むことも可能で、ヘッドレスモード(「claude -p」)を使用すれば、GitHub Actionsやpre-commitフックでの自動化タスクに対応する。例えば、コードの静的解析や自動リンティングを行うスクリプトをClaude Codeに生成させ、パイプラインに統合する。セキュリティ面では、サンドボックス環境での実行が推奨され、許可設定を適切に管理することで安全性を確保できる。

注意点と課題

Claude Codeは強力なツールだが、限界も存在する。複雑なデータモデルや高度に専門的なタスクでは、人間の介入が必要な場合がある。Anthropicのエンジニアも、複雑なリファクタリングでは手動での作業を選ぶケースがあると述べている。また、生成されたコードは必ずレビューする必要があり、自動生成されたコードをそのまま本番環境に適用することは推奨されない。さらに、コスト面では、トークンベースの課金体系により、頻繁な使用で費用が増大する可能性がある。平均的なユーザーの1日あたりのコストは約6ドルとされるが、ヘビーユーザーでは1日1000ドルを超える場合もある。使用前に予算を考慮し、必要に応じてMaxプランを検討することが賢明だ。

今後の展望

Anthropicは、Claude Codeの機能拡張を進めている。2025年5月の「Code with Claude」カンファレンスでは、APIやCLIツールのさらなる改良が発表された。今後は、Claude 4モデルの進化に伴い、コード生成の精度やコンテキスト理解力が向上する見込みだ。また、コミュニティからのフィードバックを反映し、オープンソース化やライセンスの緩和も検討されているが、現時点ではコードの公開に制限がある。開発者は、Anthropicの公式ドキュメントやGitHubリポジトリを定期的に確認し、最新情報を把握することが推奨される。

Claude Codeは、エンジニアの生産性を高め、開発プロセスを効率化するツールとして、すでに多くの現場で実績を上げている。正しく活用すれば、コードの品質向上や開発時間の短縮に大きく貢献するだろう。興味を持った読者は、Anthropicの公式サイト(https://www.anthropic.com)で詳細を確認し、試用を開始してみてはいかがだろうか。

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